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免疫拒絶を回避する “Hypoimmune” iPS細胞療法を開発するShinobi Therapeuticsに新規投資しました

Shinobi新規投資

株式会社ファストトラックイニシアティブ(以下、「FTI」)が運営する投資事業有限責任組合は、革新的な免疫回避性iPS細胞療法を開発するShinobi Therapeutics, Inc.(拠点:米国および日本、CEO:Dan Kemp, Ph.D.、以下「Shinobi」)への新規投資を実行しました。本投資はFTIの海外投資として4件目となります。

本ラウンドの調達総額は5,100万ドルで、EQT Life Sciences、F-Prime Capital、Eight Roads Venturesをリード投資家とし、FTI、Astellas Venture Management、JIC VGI、D3 LLC.も投資参画しました。

Shinobiは今回の資金調達により、”Katana” iPS-T細胞療法プラットフォームの進化と、最初のプログラムとしてGPC3陽性の固形腫瘍の治療に向けた臨床試験を推進します。

FTIは既存の課題を克服した革新的な細胞療法を開発するShinobiに対し、経営戦略から研究開発、日本市場への展開支援を含む事業開発に至るまで支援してまいります。

<Shinobiのコアテクノロジーについて>
細胞療法は血液がんや他の難治性疾患の治療で顕著な成果を示していますが、製造コストの問題でこれらの治療は世界中の大多数の患者には利用できません。他家細胞を用いたoff-the-shelf cell therapy (off-the-shelf 細胞療法)においては、十分量かつ安価な細胞製造の実現が期待されます。しかし、患者の免疫系がドナー由来の遺伝子改変された細胞を拒絶するという、自家細胞にはない課題を抱えています。この免疫応答を回避するため患者は免疫抑制剤を服用することがありますが、これは同時に望ましくない副作用や深刻な合併症を引き起こすことが頻繁にあります。一方、Shinobiは、患者の免疫系と拮抗するのではなく協調する細胞療法という、既存療法とは異なるアプローチを取っています。

共同創業者のTobias Deuse, M.D.とShin Kaneko, M.D., Ph.D.、Yasumichi Hitoshi M.D., Ph.D.およびRyosuke Gonotsuboが開発した手法により、ShinobiはまずiPS細胞が高い免疫回避を示すように改変し(Hypoimmune技術)、次にShinobi独自のKatanaプラットフォームを使用して特定の抗原特異性を持たないCD8αβ iPS-T細胞を作成します。

科学顧問に就任予定のCarl June, M.D.は「ShinobiのKatanaプラットフォームにより、世界中の患者がCAR-T細胞療法を利用できるようになるだろう。」とコメントしています。

<Shinobi Therapeutics, CEO, Dan Kemp, Ph.D.のコメント>
FTIを主要投資家としてShinobiに迎えることができ大変嬉しく思います。患者の人生を好転させる医薬品を開発するという責務を共有し、FTIは米国と日本におけるShinobiの経営にシームレスに寄り添ってくれています。投資担当のKoji、そしてFTIチーム全員と密に連携できることに大きな期待感を抱いています。

We are thrilled to have FTI join as a key investor for Shinobi. With a shared commitment to developing life-changing medicine, their presence aligns seamlessly with our operations in the US and Japan. We look forward to working closely with Koji and the entire FTI team.

<FTI プリンシパル Koji Yasuda, Ph.D.のコメント>
グローバル規模で、免疫回避性のiPS細胞由来off-the-shelf細胞療法を開発するというShinobiの旅路において、FTIが積極的な役割を担えることを大変光栄に思います。日米の国境を超えた戦略提携を推進するというFTIの専門性を活かし、CEOのDan、およびShinobiチーム全員と二人三脚で、Shinobiのミッション達成に向けて旅立ちができることを愉しみにしています。

We are thrilled to play an active role in Shinobi’s journey in developing off-the-shelf immune-evasive iPSC-derived cell therapies on a global scale. Leveraging our expertise in executing strategic US-Japan cross-border initiatives, we look forward to working closely with Dan and the entire Shinobi team as they embark on their mission.

Shinobi Therapeuticsからのプレスリリースはこちら
日本語プレスリリース
English press release

<Shinobi Therapeuticsについて>
新しいoff-the-shelf免疫回避性iPS細胞由来細胞療法を開発するバイオテクノロジー企業。京都大学のShin Kaneko, M.D., Ph.D.、Yasumichi Hitoshi M.D., Ph.D.およびRyosuke Gonotsuboと、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のTobias Deuse, M.D.の研究に基づき、あらゆる免疫系から非常に高い免疫回避を示すallogeneic CD8αβ iPS-T細胞プラットフォームを開発。サイアス社(日本法人)とEvade Biotechnology社(米国法人)の両方を源流とするThyas inc.(米国法人)が社名変更し、Shinobi Therapeutics, Inc.となった。

設立年月:2023年11月8日
所在地:South San Francisco, CA, USA、および日本
代表者:Dan Kemp, Ph.D.
https://www.shinobitx.com

<本件に関するお問い合わせ>
株式会社ファストトラックイニシアティブ
東京都文京区本郷4-1-4 Design Place α 8F
TEL:03-5842-3325 / FAX:03-5684-1060
担当:桐谷

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